ども、いかしゅみです。
友とともに遠方へ向かふ、また楽しからずや。
日曜の昼下がり。晴れ。
妻を誘ってドライブがてら、福岡県大川市へ遊びに行ってきました。
大川といえば、言わずと知れた、家具の街です。大小、新古、さまざまな家具屋さんが集まっています。ちょっとしたテーマパークのようです。Googleマップで「家具」で検索すると、ピンが雨のように降り注ぎます。
家具好きにはたまらない、夢の街といえましょう。
大川市の家具の出荷額は、堂々の全国第一位。家具の街としての歴史は、室町時代にまで遡るのだとか。詳しい経緯はこちら。筑後川の水運に携わった船大工（フランキー！）にルーツがあるんですねぇ。おもしろい。
悠久の時の流れを感じます。
というわけで、今日はのんびりと、大好きな家具を見て回ります。
基本ノープラン。「気になったお店があったら、寄ってみよね」
大川市内に入り、交差点で信号待ちしていたとき、ナビの指す経路が混んでいたので、ショートカットのために細道に入ったところ、抜けた先、眼前に、不意に、奇抜なデザインの建物が現れた。
ちょ待て、何これ、おもしろーーー
「これは行っとけ」でしょう。右折うせーつ。
https://kaguhaus.comより
元々は別の業態の建物？ホテルかなー（のちに判明します）。
お店に入ってすぐ、左方に惹きつけられます。上品で美しいリビングアイテム（ソファ、チェア、キャビネット、リビングテーブル、ダイニングテーブルとか）が、これまた美しく展示されています。Masterwalというメーカーさんらしい（お店の中に特定のメーカーに割かれたスペース。shop in shopというんだそうです）。直線、曲線、硬さ、柔らかさ。木材の魅力が目に飛び込んできます。気品に満ちた静かな佇まいです。
吾輩、すでに瞳孔開きっぱなし。心臓ばくばく。
もうね、何つうか、しあわせすぎて、感無量。
あまりの興奮の連続に、写真は撮り損ねてばかりです。ご了承ください。
ポチップ
と、最奥に、ひときわ存在感を醸し出ている家具さんがいました。
← この方（ロッキングチェア）です。
“Hello, I wish you a good afternoon”
「バルコニーの隅にある揺り椅子に、誰かが腰掛けているのが見えた。あの老人だ。ときおり、視線をあげ、何かを探すように遠くを見つめている。斜光が柔らかさを増してくる。老人は右手で持った巻き煙草を燻らせ、肘置きに乗せた左手で、彼の太ももで丸まり眠る黒猫を優しく撫でている…」
あ、ごめんなさい。妄想です。
ロッキングチェアは、憧れの家具さんです。ずっと探し求めてきました。これまで数多の個体（業界ではこういう使い方をします）に出会いましたが、心から惚れることはありませんでした。ですが、
こういうのを、運命と呼ぶんでしょうね。
年甲斐もなく、声をあげ、小走りで近寄り、飛び込み座る。
こ、こいつは！（完全に一目惚れ、いや一尻惚れか）
微笑む、わが美しい妻（大谷さん風）。
もうね、買います。値段みろって？知るか、こういうのはな、priceless（意味違くない？）。一生の宝。
夢見心地でさらに店内を徘徊します。
家具屋さんってですね、たくさんの家具に囲まれて、なんて幸せな空間なんだろうと、羨ましくなります。
家が３つあったら、あれも買い、これも買い、それぞれの家にローテーションで住んでとか、最高だなー。
妄想はつづく。
ところで、写真の後ろの方に、何やら重厚なドアがあるの、わかります？どこかで見覚えありませんか？
こんな分厚いドアは、ホテルにはありませんよね。
そうです。銀行の金庫の扉です！
ここで、液状化が進んでいた吾輩の自制心は、ついに砂塵と化しました。
「うわー、おもしろー、なんでー、はあ、うわー」
変人。
店員さんも目を丸くしていたようでした。
お邪魔したKAGUHAUSさん、古い銀行のビルをリノベーションして、店舗として使われているそうです。あえて金庫の扉（20世紀初期だったかな、年代物の製造タグが付いてました。）と金庫室を残すとは、完全にイカしてます。弟子入りしたい。
ひとしきり家具を愛でたのち、小物を入念に見て回りました。
もうね、家に連れて帰りたい子ばかりで、後ろ髪を引かれる思いでしたが、厳選して、テッシュを入れる箱と、店員さんおすすめの美濃焼のマグカップとどんぶり（どんぶりは在庫なしかもです）を買いました。大事に使いたいと思います。
ポチップ
続きまして、大川といえばの関家具さんにお邪魔しました。
国内の家具店では、総床面積は最大ではないでしょうか。何号館まであるんだー、めちゃくちゃ広い。
店員さんいわく、「増殖し続けてますからね」ってアメーバか。
とにかく、圧倒的な品揃えと展示です。凄まじい。
んで、のんびりまったり見ていたら、閉店時間が来てしまいました。時間が全然、足りない。
関家具さんでは、何度めかの一目惚れで、ブックエンドと観葉植物を買いました。
最近、よく本を読みます。吾輩は複数の本を並行読みするのが好きなので、リビングのテーブルに「読もうかなぁ本」を積みあげています。これは、お行儀が悪い。
このブックエンドのおかげで、だいぶスッキリしました。持ち運びもできて良きです。デザインも最高です！木のボールがマジでかわいい。家の中に球体があると、なんというか、安心します。
本を置くところがわずかに斜面になっていて、ボールが重みで転がって、本を押さえる仕組みです。エレガンス！
観葉植物は、通称”エバーフレッシュ”。マメ科の植物です。小さくて、キレイに整列した葉っぱがなんとも可愛らしい。夜になると葉っぱを折りたたんで、就眠に入ります。まるで赤ん坊のようです。
こちらは入荷するとすぐに売り切れてしまう、人気商品だそうです。赤ちゃんサイズを育てて、成長を見守りたいと思います。
みんな、我が家の一員です。
今日は本当に運がよかったです。
たくさんの家具やアイテムを見て、ほんと、くつろげました。こういう“休み方”もあるんだなー。
外に出ることも大切ですね。
家具は、長い時間、物によっては一生をともに過ごす相棒のような存在です。今回、ベッドとTVテーブルも検討したんですけど、気に入った個体がなく、決断には至らず。焦らずにじっくり考えて、決めようと思います。
家具選びの醍醐味ですね。
家具っていいなと、改めて幸せな気分になれました。
おわり
